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2012年12月30日日曜日

未知だった国グルジア〜出会いあり、自然あり、糞ありの旅〜

もう今日はみそか。
明日が2012年最後の一日。あした、この一年間を総括しよう。


今日は、グルジアで体験したことをお話します。


グルジアと聞いて、みなさん何が思い浮かぶでしょうか。


おそらく、「えっ?」って反応する方が大半だと思う。

僕も行くことが決まるまでは「なんか聞いた事ある国名」ぐらいにしか思ってなかった。

グーグル検索だと、「力士」「ワイン」「ラグビー」などが多く検索されていて、フィギュアのエレーネ・ゲデバニシビリってめちゃ美人が注目されている。


でも、一番注目されているのは隣国「ロシア」との関係。



知らなかったのが恥ずかしいが、グルジアは北京オリンピックで騒がれていた2008年の8月にロシアと戦争していた国(詳しくは南オセチア紛争)。
youtubeで「グルジア」と探すと、実際に戦火を交わしている生々しい映像があり、「5デイズ」という映画の題材にもなっている。

グルジアに行くことがなかったら、「4年前にロシアと戦争をしていた」なんて事実知らなかったかもしれない。


トルコのトラブゾンという町で2時間程でイランビザを取得して、その要にバスでグルジアへ向かう。


この旅、初の国境越え。
グルジアの国境検問所。かなりオシャレなデザイン。




グルジアは日本人ならばノービザで抜けられる。



セクシーな金髪ミニスカに「Welcome to Georgia!」って特別に言われて、テンション上がる。

ちなみに、英語では「ジョージア」。日本語ではロシア語読みの「グルジア」を採用している。しかし、グルジアとしては敵国ロシア語の呼び方で呼ばれるのが不快で、日本に「ジョージア」と呼んでと要請している。

通貨は「ラリ」と呼ばれる。トルコの「リラ」と似ていてややこしい。


トルコではアルファベットで文字が表記されていて英語と似ている部分があったから、なんとなく推測できた。でも、グルジア語は全く読めない。
アルファベットが反対になったり、くねくねしたものがあったり、全く未知の世界の文字。



見た目、ロシア語っぽいなと思ったけど、全く違うものらしい。

でも、旧ソ連だったので、35歳以上ぐらいのグルジア人はほとんどロシア語がわかる。でも、最近の関係悪化もあってかロシア語を話されると拒否反応を起こす人もいるみたい。


朝、首都トビリシに着く。


宿に辿りつくために、地下鉄へ。

果てしなく地下に降りる。何メートルあったんだろ。しかもスピードかなり早くて怖い。
グルジアに旅してた人のブログを事前に読んでいて、
グルジア人はやさぐれてる人が多い!」と言っていた。

なんとなく、それがわかった。

あの明るい人だらけのトルコと比べてしまったからかもしれない。
なんか人の雰囲気が暗い。地下だからだろうか、空気もどんよりしている。

一方で、街の建物はオシャレ。

ヨーロッパ風に仕上がっている。というより、グルジアの国旗が付くとオシャレに見えてくるのかもしれない。




グルジアの母
高さ22mあり、かなり迫力がある。
右手に剣を持ち、左手にワインを持っている。
客はワインで歓迎するけど、敵には厳しく立ち向かう」グルジア人気質を表しているようです。

夜はグルジア有名料理「ヒンカリ」を食べながら異常に安くてうまいビールを飲んだ。

ヒンカリは、一言でいうと「デカイ水餃子」。味はしょっぱくて、皮はモチモチ。3つ食えたらかなり大物よ。


宿が面白かった。


名前は、「Art Hostel」
その名の通り、宿の中のほぼ全てにアートが取り入れられている。

この旅で泊まった宿の中で一番、不思議な雰囲気の宿で素敵だった。


隣のベッドにいたフランス人の旅人と話していて、

カズベキってところ行く予定ないのか?行かなきゃグルジア来た意味ないぜ!」

ってノリノリで言ってくる。
グルジアでは特にどこかに行く予定はしていなく、2日で抜ける予定だった。

でも、写真も見せてもらった瞬間気持ちは変わった。

なんじゃこのスケールのでかい自然は!ハンパない」と。
行き方を聞き、翌朝出発を決断する。

すると翌朝、宿のおっちゃんが片言の英語で話しかけてくる。


カズベキ行くんだろ?こいつらも行くんだよ!

って紹介されたのは、ポーランド人の家族連れで来ている旅行客。40歳ぐらいのお父さん世代の人が数人と、20歳以下の子供が数人で合計10人ほど。

ヴァンを予約して行くらしく、ちょうど2人分席が空いていて、安く連れて行ってくれるとのこと。


ラッキーすぎる。

そして、ラッキーな出会いだった。

これから彼らとあんなにも楽しい時間を過ごせるなんて全く思っていなかった。

カズベキは首都トビリシから3時間ほど離れた場所。

グルジア軍道と呼ばれる荒れ道を通って、ロシアとの国境ギリギリまで北上する。

どんどん自然に入り込んで行く。

途中にはキレイな教会と湖があった。



さらに進んで行くと、異様な光景が。

わかりますか?白い点のように見える大量にあるもの。

そう、羊たち。


車がひっくり返るんじゃないかってほど荒れている道が終わり、カズベキ村に着く。


標高1750mということもあり、かなり寒い上に雨降っている。本来見えるはずの絶景も霧で隠れて何も見えない。

そこで、一緒に来た家族達に誘われる。



「とりあえず飲もう!」




スイカと「チャチャ」と呼ばれるウォッカ。

寒いときはとりあえず飲まないとねー」と昼からショットを重ねる。

英語が話せるため、会話も弾む。
ポーランド人、ノリ良し。

結局その日は天気が良くなりそうならないから、登山を諦める。


豪華な晩ご飯も彼らと一緒に食べ、チャチャのおかげもあり、大盛り上がり。



途中、停電しても、
「チャチャがあれば大丈夫よーーー!」と歌い始め、大盛り上がり。

日本文化を紹介したり、ポーランド語を習ったりと、酒を通じた文化交流も盛り上がる。美里が紹介する「おせち料理」と「着物」は、オオウケ。どうやら、ポーランド人の中でも日本マニアは多いらしい。


結局この日覚えた、ポーランド語は




乾杯「ナズドローヴィエ」
ありがとう「ジェンクイェ」

と、「チャチャ」と呼ばれるお酒。


逆に、この3つだけ忘れてないのがスゴイと思うけど。


旅の醍醐味を味わった。
知らなかった人と突然仲良くなり、強い酒を酌み交わす。
お互いの国のことからくだらない日常のことまで笑いながら語り合う。

出会いに本当に恵まれた。




翌朝、早起きして、山を登る。

と言っても、霧は半がかり状態。
目指すは、標高がさらに400m高いサメバ教会。

(右上の山の頂上にある建物が目的地)

ここはホントに道か!って思うような道をとにかく上目指して登って行く。

後で気づいたのだが、「安全コース」(迂回)と「危険コース」があったらしく、知らず知らずに「危険コース」を歩いていたらしい。

何が危険って、牛だか馬だかわからないけど、でかいフンだらけ。


下向いて歩かなかったら一発で「ぐちょー」っていくパターン。

角度も急で、気が抜けないまま1時間程登っていった。

「ふー疲れた。あともうちょいっしょ」


「んーでも、教会霧で見えないね。本当にこっちで良いのかな。。。」

「まー大丈夫でしょ!」

ぐちょ!!!!




直径30センチぐらいのやわらかい新鮮なフンのど真ん中を踏んでしまった。

思わず、"Holy Shit!"と叫んでしまいました。

文字通り、聖なる場でクソを踏む。
ほんとクソッタレですわ。。

テンションだだ萎えしながらも、靴を大体洗って、上を目指す。


すると、前を歩いていた外国人旅行客が引き返してくる。

もう諦めたらしい。

もう2時間ぐらい歩いてるのに、霧で目的地が見えない。諦めるのもしょうがない



すると、霧の中から突然、牛の大群が。
もうほんと異様な光景。

遠いところからなんか音がする。

音が聞こえる方向へひたすら登って行くと、




見えた!!!

見つけたときの感動と安心感は凄かった。

若干「遭難疑惑」たっていたので。

冷静に見てみると、なぜか違う道から来る人がいるし、車乗って来てるヤツもいる。


「変な道来たんだなー。。」

でも、良かった!!うんこまみれのキツいとこ登ってきたから、見えた達成感がある。



やっと辿り着いたツミンバ・サメバ教会

14世紀に標高3000m以上の場にこんな建物作ったのはスゴイ。
教会の中は、異様な雰囲気でした。

入った瞬間、一つも物音がせず、神聖な場所だと感じた。

ここには長くいちゃいけない」と感じて、すぐ出てきた。




快晴であれば、背景にさらに高い5000m級の山が見えたはず。
でも、霧がかったいたからこそ、こんな光景も広がっていた。

 ものすごいスケールのでかい光景を後にして、下る。


すると、片足ケガした黒ずんだ白い犬が僕たちをエスコートしてくれる。
「早く来い」と言わんばかりに、先に下に行き、僕たちを待っている。追いついたと思ったら、また先に下へ行く。

その犬は僕のfacebookページを飾ってくれている。



カズベキ村を発ち、トビリシへ向かう。

また荒れ道を通っていると、絶景が待っていた。

やっぱり自然が大好きだ。

ありがとう、グルジア。





2012年12月18日火曜日

スケールのデカい自然と奇妙な岩達〜カッパドキア〜

驚いた。
こんなに長い期間ブログを更新してなかった。


2つの研究会で本を読みまくった日々は終わらして、最近は、来春から休学して行うプロジェクトを思考して、アウトプットする毎日。
毎日夜10時以降に帰ってくる生活はいつ以来だろう。

やっぱりイスに座って本読んでるよりも、誰かと話しながら一つのテーマを考えたり、プレゼンしてる方が楽しい。

予定が埋まりすぎてるだからかもしれない。最近旅のことをふと思い出すことが多い。

寒くなってきて、あの灼熱の暑い日々が遠くにいってしまった気持ち。

今回は、シルクロードの旅で訪れたトルコのカッパドキアについて写真を中心に紹介します。



トルコと言えば「カッパドキア」が思い浮かぶくらい有名な観光地です。
名前も日本人にとっては親しみやすいはず。(「河童」と「ドキドキ」が親しみやすさを生んでるはず)

カッパドキアはトルコのど真ん中よりちょっと左下にあって、イスタンブールからバスで約12時間、パムッカレから約10時間。バスターミナルはカッパドキアじゃなくて、「ギョレメ」ってとこで降りる。(ギョレメもなんか親しみやすい。「ギョロ目」からだな)

ここには、変な岩がそこら中に見える。キノコとか煙突とかって言われてる。
変な形の岩が果てしなく続いていて、「なんじゃこりゃーー!」って叫んでしまうほど。異様な光景とはまさにこのこと。


もっとスゴイのが、大昔にこの地形を利用して人々が生活していたこと。

3世紀にローマ帝国の弾圧から逃げてきた人キリスト教徒達達が、柔らかい岩をくりぬいて住居や教会を作った。

比較的最近の1965年に「地下都市」が発見されて、地下8階、65Mもある巨大なもの。竪穴住居どころのスケールじゃありません。
中に入ると迷路みたいでかなり複雑で、入ると出れなくなる恐れがあるそうで、ガイドなしでは入場できない。
実際に、以前ドイツ人がここで亡くなったそうです。。


中は驚くほど涼しくて、かがまないと歩けない狭い道とかワインの貯蔵庫、調理場(換気機能付き)まであって、こんなとこで人が生活してたんだと思うと不思議になった。



(旧式の電話。階と階を繋ぐ。)

そこら中に散らばる巨大な岩に穴が掘られてた。
不思議でしょうがない。




巨大な城のようなものも。



絶壁。アスレチックのようで登るの楽しい。



中には、修道院も。
光が差し込む様子がなんとも神秘的。
建築勉強してる人にはたまらないだろうって思った造り。
大昔にこんなのを掘って作るって凄すぎる。




翌日は、人生初の気球に。
カッパドキアで気球に乗ることを僕はオススメします!



日本だと関東圏で気球に乗るとなると、
長野の安曇野で5分で2000円。50分で24000円。
栃木の渡良瀬川遊水池45分で16000円。

航空路とかぶるのを避けるため、気球の飛行地が限られてるようです。
あとは、北海道に気球体験できるところがあるみたい。

日本ではなかなか体験するチャンスがありません。
なら、気球を買っちゃおうという人もいるみたいですが、一般的に300~400万かかるそう。車より高い。

それがカッパドキアでは、日本よりも安く気球に乗れます。

Web上の案内だと、



とありますが、現地ではもっと安くなります。
どれくらい安くなるの?には答えられませんが、6割7割いけます。(もっとかも)


朝4時に宿に迎えに来てくれて、朝食ブッフェがある場に連れてかれる。
そこで、グループ札を渡されて、朝食を食べ終わる頃に、呼び出される。

15人程入るバスに乗せられて少し運転。

降ろされた野原には、数えきれない程の気球が準備されている。
日が昇り始めてる。

5人ぐらいで1つの気球に熱空気を入れている。





準備ができた気球からどんどん飛び立っていく。
ものスゴイ数。そしてカラフル。



3つのブースに分かれたカゴの上に10人ぐらいで乗る。
他のツアーから参加してる日本人ばかり。2人のイタリア人がかわいそうだった。
そして、いよいよ自分たちの気球も離陸。

みるみるうちに浮いていく。
あっという間に下にあった車が点のよう。

景色がキレイすぎる。
他の気球を見るのも楽しい。
カッパドキアの変な地形すれすれを飛行していく。
なぜか、墜落してる気球も。



1時間近く飛行して、着陸へ。
飛行機みたいに細かく操作できないため、どこに着陸するかわからないらしい。
道路スレスレを飛行する気球も。
電線にひっかからないのかな。。

下では、気球を回収するトラックが追跡してくる。

Landing position!と言われて、膝を曲げてかがもうとする。
でも、狭すぎてかがめない。笑

意外と大きい衝撃とともに、着陸。
下で待機していた人達が、ロープを使って必死にブレーキする。


(着陸直後のパイロット)

着陸後にはアルコールなしのシャンパンファイト。
資格証ももらえた。
最後まで素晴らしいサービス。


カッパドキアでの気球体験は以上になります。

本当に乗って良かった。
最初は、値段が高い高いって拒んでたけど、「今乗らなきゃもったいない」って思えて良かった。
気球から見渡したカッパドキアの不思議でスケールのデカい景色。

一生忘れません。