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2012年7月8日日曜日

「異郷に入り、郷に従いつつ、元々の郷の強みを発揮できる人」

日本からの初投稿になります。
改めまして、ただいま!久しぶり、日本。


今日は文化について書きます。
日本に帰国して、日本と中国のサービス文化の違いを強く感じた。




先週の土曜に帰国してから、荷物の整理やiPhoneの購入などして日本での生活準備をした。SFCに2回行って、学事で手続きをを済ませた。


(相変わらずカッコ良かったSFC)

自分でも驚いたことに、学事の対応に感動してる自分がいました。
そういえば、2年前に浙江大学に留学していた先輩も同じこと言ってた。


(帰国したときの)「学事の対応で泣きそうになった」


別に、単位交換できなくて「今年も二年生頑張ってください」って言われて泣くわけじゃなくて、親切な対応に感動したのです。


その先輩が言ってた気持ちがやっとわかった気がした。

中国の学事は適当すぎて、慣れない頃はいつもイラっと感じてた。もちろん笑顔の接客なんてなく、「これ、うちじゃないよ。他のとこいってきなー」の類いのタライ回しは当たり前。番号札まで渡してめちゃくちゃ待たせておいて、「今日は受付終わりだからまた明日ね」みたいなことも。




帰国時の空港チェックインカウンターでさえ、全く言葉を交わさずに搭乗チケットを渡してきた。おそらく、帰国時だから「えっ?空港までこんな適当だっけ?」って気づいたんだろうけど、こういうサービス態度って中国全体に共通してることなんです(変わりつつある)。

(浙江大学一番古いキャンパスの図書館)


一方、SFCの学事の人は、しっかり書類記入の説明してくれたり、質問にも優しく答えてくれたり、しかも微笑んでくれたりで「あ、日本すげぇな」って改めて思った。


学事の人は別にサービス業だからそうやらなきゃって意識してるわけではないはず。


おそらく「自然に笑顔になれる」んだと思う。


あと、一人でラーメン屋入ったとき、「いらっしゃいませー!」って元気良く言われて、少し戸惑ったりもした。


こういうサービスできる日本人ってやっぱりスゴイし、誇れるものだと思う。
中国行ったことある人は、この気持ちがすごくわかるはず。




中国でも、良いレストランとか良いホテルとか行けば「欢迎光临(フアンイングアンリン〜)」って言ってくれるところもある。上海と地方都市ではその点でも大きな違いがあると思う。中国ってでかいから一概に“中国は〜”って言えないのは確かです。






でも、そういう良いとこほとんど行かなかったから、“最低限のサービス”っていうのに慣れちゃったんだと思う。




日本人から見て中国のサービスのレベルが低いのは、消費者のサービスに対する要求が低いから。低いというより、日本人と違った部分に重きを置くって言い方の方が正しいかもしれない。


例を挙げると、中国人の客がレストランに入る時に、定員に「いらっしゃいませー」って言われるかどうかっていうのはどうでもいい。サービスの要求のうちには入らない。それよりも、「料理が出るスピード」「値段」「味」「お腹いっぱいになるかどうか」ってところにこだわる。


つまり、店側は「客のお腹を満たす」っていう需要を余計なサービスやムダを省いて、ストレートに満たすことを重視している。


別に意識してこういうサービスをしてるってわけじゃなくて、そういう文化の中で育ってきた人たちだから“自然にそうなる”んだと思う。


(前回のエントリーにあった「ニラ卵ラーメン」安いけど絶品)



こういうこと考えてると、改めて“文化”を変えるって難しいって気づく。


中国人にとっては道がゴミ箱と一緒っていう感覚の中育ってきたから、いくら「環境保護!」っていう看板を道に貼りまくっても、ポイ捨てをする人はいる。


同じように。日本人がヨーロッパに行ってスープを飲む時に、音を立てて飲んで、周りに人に迷惑がられたりする。


“そういう”環境で育ってきた人が、“そういう”ことをするのは普通で、違う環境に行って“そういう”を変えるのは難しい。


思い出したけど、
中国語の四文字熟語(成语)を学んだ時に初期に学んだのが、「入乡随俗」っていう言葉。


「郷に入りては郷に従え」という意味。
中国にいるとこの言葉がよく出てきた気がする。アメリカにいたときも聞いたと思う。




グローバルな人ってもしかしたら、「違う郷に入って、郷に従える人」を指すんじゃないかなって思った。
つまり、柔軟性があって適応力がある人。


その国のやり方を知るって意外と難しくて、そのやり方を実践するっていうのはもっと難しい。



さらに言うと、グローバルな場で活躍できる人って「異郷に入り、郷に従いつつ、元々の郷の強みを発揮できる人」なんじゃないかな。なんかわかんなくなってきた。笑

どんな環境でも、自国で培った他にはマネできない自分の強みを発揮できる人。


強みは一瞬で得られるものではないし、発揮するには言語などのハードルを除去していかなきゃいけない。


海外に出て思ったのは、日本人の良い所を忘れたくないってことです。



シルクロードで行く国はイスラム教国家が多い。日本で触れる機会が少ないから、ワクワクしてると同時に文化に適合するよう注意しなきゃ。


「違う郷に入って、郷に従いつつ、元々の郷の強みを発揮できる人」になれるよう、色んな世界を見ていきたい。








2 件のコメント:

  1. 日雇いの賃金でみると、日本はそれぐらいのサービスができて当たり前だと認識しています。中国人も日本人ぐらいの給料を頂いている方々はしっかりとした対応ができています。(もちろん、すべてがそうではありませんので、Yugoさんの指摘した部分は賛同します)
    私が言いたいのは、中国に来た上で、中国で仕事をしようとしたり、留学をしようとする際に、悪口や悪い感想はたくさん言うのは大いに結構だが、本当に努力してそれに対面できていたのか?に疑問を思う場合があります。(私がこれまで接してきた人に限る少数派の意見になるかもしれませんが)
    学事の対応も悪い方はたくさんいます。それはたとえば、年100万円の学費を払ってる日本の学事と、年30万の中国の学事にたいする要求を同じにしているのは果たして妥当なのか?
    あと、そんな中国人の学事担当者でも、人によっては優しくします。そのプロセスを理解したのだろうか?
    柔軟性・適応力に加え、追求心と探究心も求められる人こそグローバル人材なのではないでしょうか?
    私個人の考えだけであり、それぞれの答えがあるかもしれませんね。笑

    井出

    返信削除
  2. 井出さん

    コメントありがとうございます!!お久しぶりです!!
    もう一度読んでいただければ気づくと思うのですが、中国のサービス“否定”しているわけじゃないし、“一概には言えない”というのも伝えたかったのです。
    サービスは消費者の要求に応じてするべきであって、接客への要求が無い場では余計なサービスはすべきではないと考えます。つまり中国の「効率重視」の考え方も日本は学ぶべきだと強く思います。日本企業に就職して感じたと思いますが、「なんで決定までにこんなにプロセスが多いんだろう」とか思ったことがあると思います(日本で働いた経験のある中国人2人に聞いたことがあります)。日本社会では、“ムダ”が多く存在し、それが「グローバルなスピードについていけない」原因にもなってます。

    上海で働く多くの日本人に会って来た井出さんは、おそらくたくさん中国の悪口を聞いてきたのですね。実は僕もたくさんそういう話を大人の方から聞いて疑問に思いました。「どうして中国を日本目線で見るのをやめられないんだろう」と。それで優越感を感じてるのかもしれませんね。日本人の欠けてる部分だと思います。ちなみに、「悪口」というのは好きだから出ることもあります。僕は中国でよく日本を批判して中国人に「お前は非国民だ」と言われてました。好きだからこそ言うのです。このエントリーに書いたことは、「悪口」ではないですけどね。
    ちなみに、自分は中国の文化に適応するため努力してきたって自信もって言えます。最初はなんじゃこりゃ!って思ったニーハオトイレも、「中国人はこういうとこでもできるんだ!」と思って克服しました。白酒もそう、「これ飲み物じゃないっしょ」って思ったけど、家帰ってから一人で飲む練習して潰れて次の日学校行けないとかありました。完璧に適応できたかはわからないけど、“適応しようとするマインド”は持ちつづけました。

    それと、賃金とサービスの相関性はそこまでないと思います。例えば、日本のカフェの時給700円、日本の生活費から見たらめちゃ低いです。でも、サービスに対する意識は違います。「他人のことを考える」が文化であり、そういう環境で育ってきたからです。

    確かに、その「追求心」もグローバル人材には必要ですね!自分もまだまだ見れてない世界ばかりなので、その「探求心」を忘れずに広い世界を見ていきたいです。
    こんな感じで日本的に言えば「つっかかってくる」のも中国的で好きです!自分が違うと思ったことに対して「ハッキリ言う」のは中国の良いところであり、日本が学ぶべきところです。「互いにぶつかり合って、お互いの考えを深め合う」のはグローバル社会で必要です。
    また、コメントいただける嬉しいです!ありがとうございました。

    Yugo

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